科学的な潮名の決め方

  干潮と満潮の水位差を「潮差」と呼び,この潮差の大きい時を大潮期,小さい時を小潮期,また小潮期から中潮期に移る期間は長潮または若潮と呼ばれています. 潮差の大きさが月の形に関係することは昔から知られており,満月や新月の頃は潮差が大きく上弦と下弦の頃は潮差が小さくなります.
  月と太陽が同じ方向にある時が新月(月齢0)で,いいかえれば地球の中心から見て月と太陽の黄経差(月の黄経から太陽の黄経を引いた値)が0度となる時のことです. 月と太陽が地球を挟んで相対している時が満月で,黄経差は180度になります. 上弦と下弦の時はそれぞれ90度および270度となります.
  MIRCマリン情報では0時(日本時間)における黄経差に基づいて,一般に用いられている潮名を次のように割り当てています.
潮名 黄経差(度) 割当
大潮  343〜 31  4日
中潮    3〜 67  3日
小潮   67〜103  3日
長潮  103〜115  1日
若潮  115〜127  1日
中潮  127〜163  3日
大潮  163〜211  4日
中潮  211〜247  3日
小潮  247〜283  3日
長潮  283〜295  1日
若潮  295〜307  1日
中潮  307〜343  3日
  日本周辺では大潮の時期が通常,新月や満月の日から1日遅れて発生し,同様に小潮も上弦と下弦の時より1日遅れるため,黄経差の範囲を少しプラス側にずらしてあります. また,潮名の一巡は30日であることから,一日の黄経差を12度として,四日間の大潮の後に三日間の中潮を割り当てています. ただし,実際の黄経差は一日12.1度なので,潮名の割り当て日数が変わる場合があります.

Copyright(C)MIRC/JHA
戻る